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ソニー・ピクチャーズが邦画製作部門を立ち上げ!今後の戦略を予想する

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はじめに

こんにちわ、胆石クラッシャー(@ev20405)です。

外資系映画会社による邦画製作(通称:ローカルプロダクション)が日本市場で存在感をだしつつあります。

そのトップランナーであるワーナー・ブラザーズジャパンは、2017年だけでも『銀魂』『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』『鋼の錬金術師』『無限の住人』等、人気マンガ原作の実写映画製作に積極的です。

ワーナー ブラザーズジャパン社長の高橋雅美氏も、以下のように語っています。

2017年の編成は〜(中略)〜邦画では、おっしゃっていただいた漫画原作の実写映画が柱になります。いい映画を作るためには、いいストーリーとキャラクターが必要です。そういう意味では、ヒット漫画は非常にポテンシャルが高い。

そこに、作品に相応しいキャスト、スタッフに参加していただくことで、すばらしい映画が作れます。とくに漫画にはたくさんのファンがついているので、集客も期待できる。となると、編成においても漫画原作が核になってくるのは必然になります。

www.oricon.co.jp

一方で、米国ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントの日本支社(以下ソニー・ピクチャーズ)も2015年に邦画の企画・製作を行う部門を立ち上げ、桐谷美玲主演の『リベンジgirl』が現在公開中です。

人事部エグゼクティブディレクターである島谷泰史氏も以下の記事で、「邦画製作に注力していく」と述べています。

www.isssc.com

しかし、邦画製作は東宝をはじめとする大手映画会社がしのぎを削っている状況で、加えて外資系映画会社であるワーナー・ブラザーズジャパンは、有名原作を積極的に実写化していくという独自のポジションを築いており、ノウハウも貯まっています。

そんな中で、ソニー・ピクチャーズが今後どのような戦略で邦画製作を行なっていくのかを予想していこうと思います。

 

ソニー・ピクチャーズの独自資産とは?

先ほど述べたように、邦画製作にはライバルが多いため、いかに他の会社と差別化するかが重要になってきます。

差別化には、他社にはマネしづらく、優位性を長期的に維持可能にする『独自資源』が必要です。そこで、ソニー・ピクチャーズの独自資源とは何か考えてみます。

ちなみに、独自資源の話をもっと掘り下げて知りたい方はこちらの本をどうぞ↓

白いネコは何をくれた?

白いネコは何をくれた?

 

ソニー・ピクチャーズの邦画製作における独自資源、それは米国ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(およびコロンビア映画)が製作した名作映画の数々だと私は考えています。

オリジナル映画の企画・製作であれば、東宝をはじめとした大手映画会社と真正面からの勝負になり、人気原作の実写化であればワーナー・ブラザーズジャパンとの勝負になります。そもそも、漫画等の人気原作は各社で奪い合いの状況で、なかなか過去実績のない会社が映画化権利を取得をすることは難しい状況です。

 

であれば、人気原作を海外から引っ張ってくるのはどうでしょう?

ソニー・ピクチャーズは『タクシー・ドライバー』『クレイマー・クレイマー』『スタンド・バイ・ミー』等、日本をはじめ世界中で知られている名作を製作した実績があります。これら米国ソニー・ピクチャーズが製作した名作を日本向けに邦画としてリメイクするのです。

 

Shall we ダンス?』『リング』等、日本で大ヒットしたオリジナル映画が海外向けにリメイクされたことはありましたが、その逆、つまり海外で大ヒットした映画を日本向けにリメイクすることは、今まであまりありませんでした。国内の映画会社はもちろん、アメリカに本社のあるワーナーブラザーズ・ジャパンもです。これは十分な差別化要因になり得ます。加えて、他社が日本支社を差し置いて米国ソニー・ピクチャーズ映画を日本向けにリメイクすることは難しいはず。

 

また、世界中で大ヒットした映画のリメイクなので、

・映画は脚本で大部分が決まると言われているが、オリジナル映画のプロットを流用できるため、脚本の外れリスクを下げられる

・元の映画に知名度がある場合、その映画のファンの流入が見込める

・同様の理由で話題になりやすい

ということが予想できます。「知名度がある原作が元となる」と言う意味では、人気マンガ原作の実写化と類似する部分がありますね。

 

以上のことから、日本で知名度のある洋画を日本の旬な俳優やスタッフでリメイクすることで、他の映画会社と差別化しつつ、往年の洋画ファンと若年層の両方を取り込むことができるのではないでしょうか?

 

ソニー・ピクチャーズの今後のラインナップは?

さて、ここで現在情報が公開されているソニー・ピクチャーズのラインナップを見てみます。

現在公開中の『リベンジgirl』は原作小説とのメディアミックス作品でしたが、次に公開が控えているのは『50回目のファーストキス』。脚本・監督に『銀魂』の福田雄一監督、主演に山田孝之長澤まさみというビッグな作品ですが、このタイトル、何か聞き覚えがありませんか…?

 

ん…?

もしかして…?

 

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そうなんです!実は米国ソニー・ピクチャーズ(正確には傘下のコロンビア映画)が製作に参加し、全世界で200億円の興行収入を記録した大ヒットラブコメディ『50回目のファーストキス』の日本リメイク作品なのです!

まさに、先ほど述べた日本で知名度のある洋画を日本の旬な俳優やスタッフでリメイクした作品なのです!

おそらく、ソニー・ピクチャーズは、この『50回目のファーストキス』の日本リメイクが成功すれば、今後も同様のリメイク作品を製作していくと思います。そういう意味で非常に重要な作品と言えるでしょう!

 

最後に 

実は、米国ソニー・ピクチャーズ映画の日本向けリメイクにはもう1つ大きなメリットがあります。それはオリジナル映画のソフトや配信に関する売上が伸びる可能性が高い、ということです。

事実、人気マンガ原作の映画では、映画公開の効果で原作が売れることが多く、映画化・アニメ化された『寄生獣』では、20年以上前のマンガであるにもかかわらず、アニメ化・映画化で350万部増刷していますし、人気少女マンガで本田翼・東出昌大主演で実写化された『アオハライド』では、映画化前の45万部から、映画化後の最終巻では初版72万部と大きく伸びています。

今回であれば、オリジナル版『50回目のファーストキス』のDVD・Blu-ray販売売上、テレビ放映権やVOD配信権等の売上upが見込めるのではないでしょうか。

 

話が少し逸れますが、個人的には『シン・ゴジラ』も、アメリカ映画が得意な「王道モンスターパニック映画」を日本向けにアレンジした作品とも捉えられると思っています。 

アメリカであれば軍人の主人公が協力してモンスターと戦うシーンがメインになりますが、日本独自の多層レイヤー化した政治部分をピックアップし、ブラピ主演の『マネー・ボール』のような『言葉のアクション』で魅せるという意味で、「王道モンスターパニック映画」の日本的魅せ方の一つの解を観た気がしました。

同じことが、米国ソニー・ピクチャーズ映画の日本向けリメイクでも実現できるのではないかと期待しています!

ちなみに、これを機に米国ソニー・ピクチャーズのことが知りたい方は以下の本がオススメです(日本人で米国ソニーピクチャーズ社長になった方の本)↓

ゴジラで負けてスパイダーマンで勝つ: わがソニー・ピクチャーズ再生記

ゴジラで負けてスパイダーマンで勝つ: わがソニー・ピクチャーズ再生記

 

要は今後、ソニー・ピクチャーズには要チェックということです(雑)。『50回目のファースト・キス』のリメイク、早く観たい!

 

リベンジgirl

リベンジgirl

 

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