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【感想】『ジョン・ウィック:チャプター2』レビュー。細かい設定にもこだわった正統派続編の傑作!

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※安定のCARシステムを披露してくれるキアヌ

はじめに

こんにちは、胆石クラッシャー(@ev20405)です。

柔術をベースにした近接格闘術とガンアクションを組み合わせた「ガン・フー」がアクションファンを驚かせた傑作『ジョン・ウィック』。その続編『ジョン・ウィック:チャプター2』が公開中です。

今回はそのジョン・ウィック:チャプター2』の感想を書いていこうと思います。

 

作品概要

あらすじ

前作でニューヨークを舞台にロシアン・マフィアを相手に繰り広げた壮絶な復讐劇から5日後。平穏な生活を送りたいジョンは、イタリアン・マフィアのサンティーノからの殺しの依頼を断るが、それにより自宅を爆破されてしまう。ジョンはサンティーノへの復讐を開始するが、命の危険を感じたサンティーノに7億円もの懸賞金をかけられ、世界中の殺し屋から命を狙われる事態に巻き込まれてしまう。

予告編

細かい設定にもこだわったことで、世界観がより明確に!

アクション映画の続編というと、スケールや火力がアップしてド派手になるのが多いですが、今回の『ジョン・ウィック:チャプター2』は、スケールと火力をアップさせつつ、かなり細かい設定部分や美術にこだわっていました。それによって、ジョン・ウィックや殺し屋たちの周囲の環境がより明確になり、アクションだけでなく、世界観も楽しめる作品となっています。

特に印象的だったのは、殺し屋を支える各分野のプロフェッショナルが登場したことです。今回、ジョン・ウィックは大きな敵に一人で立ち向かうべく、装備を整えます。そこに登場するのが、武器・衣装・情報収集のプロフェッショナルです。

武器のプロフェッショナル

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ジョン・ウィックといえば、前作はメインアームにH&K P30L(反動を抑えるコンペンセイターと呼ばれる装置付き)、サブにグロック26という装備でした。しかし、今回は装備を一新。ソムリエと呼ばれる武器のプロフェッショナルに装備の相談をするシーンを観ることができます。

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※前作で大活躍したH&K P30L

完全にアクション映画ファン向けにディテールまでこだわっているなという印象で、丁寧に武器のソムリエが各武器の説明をしてくれます。

「ゴツくて正確なものをお願いしたい」というジョン・ウィックからのオーダー受け、メインアームにグロック34と26、アサルトライフルであるAR-15、ショットガンのベネリM-4、すべてより実践的にカスタム(滑りにくい布で覆われたグリップ等)されています。

最後に、ジョン・ウィックからの「デザートは?」との問いには、石で磨いた切れ味鋭いナイフを提案。本物のソムリエさながらのやりとりで、思わずニヤッとさせられます。

衣装のプロフェッショナル

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スーツを新調するジョン・ウィック。もちろん、ただのスーツではありません。防弾チョキと同じ素材を内側に縫い付けた特別製。防弾チョッキと同等の機能を持ち、弾丸を通しません。しかし激痛は伴うのがミソw。もちろん後でめちゃめちゃ撃たれるため、痛がりながら戦うキアヌが楽しめます。 

情報収集のプロフェッショナル

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今回、ジョン・ウィックはスパイさながらの潜入を行います。そのため、忍び込む屋敷の地図や合鍵を手に入れる必要があり、それを情報収集のプロに依頼します。そこで、屋敷の見取り図や合鍵を手に入れます。ミッション・インポッシブル感のあるシーンで、非常にワクワクさせられます。

 

このほかにも、貸金庫屋や殺し屋たちの口座を取り扱うレトロすぎるアカウント部なる組織も登場し、殺し屋たちの周りの環境がどんどん明らかになっていきます。アクションはもちろん、こういった細かい設定部分にも今作は非常に力を入れており、より情報量が増えてアクションだけでなく、映画全体としても楽しめるようになっていました。

 

カーアクション、電車でのナイフ戦、敵の銃を奪ってのバトル!アクションはとにかく多種多様で盛りだくさん!

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もちろんアクションは素晴らしいの一言でした!前作から大きくスケールアップし、おなじみのガン・フーはもちろん、冒頭から凄まじいカーアクション、電車の中でのナイフ戦、敵の銃を奪いながら銃撃戦、他の殺し屋との異種格闘技戦、1で語られていた鉛筆アクション等、手を替え品を替え、多種多様なアクションが盛りだくさんとなっています。

【アクション総集編の動画はこちら】

アクションのディテールにもこだわりを感じました!屋敷への潜入シーンではあらかじめ用意した銃器を逃走経路に配置したり(『男たちの挽歌』でチョウ・ユンファが拳銃を植物のところに隠すアレです)、リロード時には都度チェンバーを確認して、初弾がちゃんと装填されているかチェックしたりと(1ではなかった演出)、アクション映画マニアをグッとさせてくれます!

燃えよドラゴン』を彷彿とさせる鏡張りの部屋での戦闘では、どこから敵がくるか分からないハラハラ感を楽しむことができました。

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また、敵キャラも非常にキャラが立っていて、馬鹿力で押し込んでくる相撲レスラーや、バイオリン弾きに変装する女暗殺者、手話でしかコミュニケーションをとらない敵ボスの右腕等、こちらもスケールアップ。前述の多種多様なアクションとの組み合わせで、観客を全く飽きさせません。

 

今作のために、キアヌは射撃チャンピオンのタラン・バトラーに指導されながら週に3~4回、およそ10週間もの間、毎回1000~1500発、計30000発を超える実弾射撃トレーニングに加え、SWATとの訓練、4ヵ月間にわたるブラジリアン柔術、さらには車のスタントの訓練もこなしたそう。ハリウッド映画でもこのレベルまで訓練する作品はほとんどないのではないでしょうか。

【キアヌの訓練の様子】

 

悪かった点

ここまで褒めに褒めていますが、実は気になる点がありました。ストーリーが少し共感しにくいことと、アクションがマニアック寄りになってきているな・・・と。

ストーリーについて

ジョン・ウィックは過去、「誓印」と呼ばれる殺し屋業界では絶対守らなくてはいけない誓約書的なものを書いており、今作ではそれを使って殺しを依頼されます。それを一度断ったことで家を燃やされ、そのことをコンチネンタルのオーナーに相談したところ「それはしゃーない」と言われ、泣く泣く殺しをこなして、依頼者も殺すんですが・・・

正直「誓印」した方が悪いんだし、しゃーなくない・・・?と思ってしまいました。

前作は、思い出の犬と車を奪われてブチギレでシンプルで共感しやすかったんですが、今作では観ながらそんなにキレんでもええやん・・・と思っていました。それなら、ジョン・ウィックの「誓印」を悪用されて、知らないところで契約が交わされいた・・・とかの方がシンプルでよかったです・・・

アクションがマニアックすぎる

個人的にはアクションは素晴らしかったのですが、前作よりマニアックになっていたため、少しターゲットが狭まったかなという印象です。リロードやチェンバーのチェック、MMA柔術、柔道を盛り込んだ格闘シーンも、分かる人には以下のように刺さっています。

 しかし、、そもそもリロードやチェンバーのチェック等の概念を知らない人からすると、「なんかやってんな〜〜」「1と同じで単調でつまらないな〜」と感じてしまうのではないでしょうか。

事実、「アクションが1と同じでつまらない」というレビューも散見されました。そもそもそういう層はターゲットにしてない!と言ったらそれまでなのですが、アクション映画の衰退っぷりを考えると、興行収入的に厳しいのでは?とも思いました。

 

あとは、細かいところでいうと、キアヌのお腹が結構たるんでたり、NYに殺し屋多すぎ問題くらいですかね。 

 

ジョン・ウィック3』はどうなるか予想する

気になる続編ですが、すでに企画は進行中とのこと。

ここで、『ジョン・ウィック3』はどうなるのか?を予想してみます。

そもそも、ハリウッドのアクション映画では2は1のパワーアップでもok、3からは飽きられるため、大胆に変えていくことが多いのです。

ダイ・ハード3』ならサミュエル・L・ジャクソンが新しく相棒になりましたし、『リーサル・ウェポン3』なら、ジョー・ペシがコミカルなサポート役として場を盛り上げ、『ミッション:インポッシブル3』であれば、それまでトム・クルーズの独壇場が多かった1や2と比べて、チームでのミッションの描写が増えました。

そのため、『ジョン・ウィック3』でも大幅は方針転換があるのではないかと思います。

 

ただ、冒頭のインタビューでも監督は以下のように、ただスケールアップするだけの続編は作りたくないと述べています。

「予算の使い方を間違って作ると、ただ規模を大きくしたり、高速道路を吹っ飛ばしたりしちゃうよな。それは僕たちのやることじゃない。コミック映画やボンド映画のやることだよ。僕たちはクールで複雑なディテールを描きたいんだ。

 ですので、新鮮さを出すために新たな相棒が登場し、2人で協力してミッションをこなしてくのではないかと思います。

また、今作で登場した各ジャンルのプロフェッショナルたちのように、より世界観のディテールを詰めていき、殺し屋ギルドの全貌が見えてくるような展開があるのかなと感じました。

 

まとめ

銃撃戦がかなりの迫力のため、劇場で観ることをオススメする傑作です。また、格闘技や銃に関する基礎知識があると、より楽しめます。以下の本を読んでいくと十分かと思います。

逆にいうと、あまり上記の知識がない状態で観ると、1と似たような感じで単調、と感じてしまうかもしれません。

図解 ハンドウェポン (F‐Files No.003)

図解 ハンドウェポン (F‐Files No.003)

 

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