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LINEそっくりのチャット型小説アプリ「HOOKED」がアメリカの10代でブームに

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Youtubeに広告を大量投下しているチャット型小説アプリ「HOOKED」

はじめに

こんにちは、胆石クラッシャー(@ev20405)です。

スマートフォンの普及により、隙間時間で楽しめるコンテンツが好まれるようになり、あらゆるコンテンツがマイクロ化し始めてきています。

そして、ついに小説にも新しい形式が生まれました。

それが「チャット型小説アプリ」です。

今回はいくつかある「チャット型小説アプリ」の中でも、最近日本語版をリリースし、Youtube広告が話題になった「HOOKED」を紹介しようと思います。

 【HOOKEDの無料ダウンロードはこちらから】

HOOKED - Chat Stories

HOOKED - Chat Stories

  • Telepathic, Inc.
  • ブック
  • 無料

読者が他人のLINEのやりとりを覗き見するイメージのアプリ

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※HOOKEDの画面。タップする毎に吹き出しが出てきて話が進行する。ほぼLINE

上の画像は、実際に「HOOKED」を利用した際の画面。ほぼLINEと同様のUIでチャット形式で会話が進行します。登場する人物の会話を通して、ユーザーは物語を楽しめるようになっています。

最近日本語版がリリースした「HOOKED」ですが、実はアメリカのティーンエイジャーに人気だそうで、AppStoreランキング1位にもなったそう。

なぜそこまでヒットしたのか、考察していこうと思います。

Snapchat世代に向けて小説を再定義した

「HOOKED」のCEOであるPrerna Guptaさんが、Mediumにて「HOOKED」の軌跡を語ってくれていました。まずはこちらを読んで、どういうプロセスで「HOOKED」が生まれたのか学んでいきたいと思います。

【記事はこちら(英語です)】

これによると、Prerna Guptaさんは、若い世代を中心にコンテンツを消費する方法がデジタル、そしてモバイルへと移行しているのに対し、本はその形式を何世紀を変えておらず、読書は死にかけているという危機感を持ったそう。

しかし、ストーリーテリングは人間の基本であり、本質でもある。そして素晴らしいストーリーの需要は常に存在するため、フィクションは、時代とともに進化しなければならないと感じ、Snapchat世代のために小説を再定義することを目的に、新会社を設立しました。

その後、様々なテストを行い、以下のようないくつかの知見を得たそうです。

  • ティーンエイジャーは物語の形式が一人称か三人称かはこだわらない
  • 読者は物語の背景を知っていれば、その物語により惹きつけられるが、背景を知らない状態で物語の途中から読み始めると、より深く考えるようになる
  • 10代の男性は男性主人公と女性主人公を同じ程度好むが、10代の女性は女性主人公をより好む
  • 大半のティーンエイジャーは、ベストセラー小説をモバイルで5分以上読むことができない

特に最後の結果はかなり絶望的ですね。。。

そこから、ティーンエイジャーが読んでくれる新しいフォーマットを試し、現在のチャット形式が読了率が高いことを発見し、今のHOOKEDが生まれたとのこと。

 

HOOKEDがリリースされ、つに2016年には12月1日にはApp storeで1位を獲得!6ヶ月の間で1000万ダウンロードを突破し、100億以上のテキストが読まれ、100万以上のストーリーが生まれたそう。

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このように、チャット形式という小説の再定義によって成功を納めた「HOOKED」。

こちらを踏まえながら、実際に使用してみての感想を書いていきます。

 

情報量が少ないのがポイント!?

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実際に「HOOKED」を使用してみて、得られる情報量が紙の小説より少ないな、というのが第一印象でした。

インストール後、設定や登場人物の説明は一切なく、いきなり物語が会話形式で展開していくので、頭にいれておくべき情報の量が通常の小説に比べて極端に少ないのです。ストーリー自体も数分で1話読み終えることができます。

スマートフォンで読むことを前提にしているため、空き時間でサッと楽しめることが重要なのですが、情報量をあえて少なくすることで、あれ?これ誰だっけ?とか今どうなってるんだっけ?みたいなことが起こりにくいのかな、と感じました。

 

また、私自身紙の小説も読みますが、LINE等で慣れているせいか、チャット形式であることは以外と気にならず、どんどん読み進めることができました。2chのSS(ファンによる非公式の二次創作小説)を読んでいるイメージが近いかもしれません。

今のティーンエイジャーは、紙媒体での文字消化率は低いかもしれません。しかし、モバイルを通してのSNS等による文字消化率は非常に高く、下手すると単純に文字を読むという作業のみであれば、どの世代よりも読んでいる可能性すらあります。そういう意味では、文字を読みたいという潜在的なニーズをうまく掘り起こしたのが「HOOKED」なのでしょう。

 

数年前に、日本で「ナノベル」というアプリが登場しました。文字数は原則2,000字以内の超短編小説を配信するアプリで、私は個人的に注目していたのですが、あまり流行はしていないようです。これも結局は小説を単純に短くしただけで、小説というフォーマットから抜けきれなかったのが、リーチしなかった原因なのかと思います。

メディアが変わればコンテンツも変わる

ただ、チャット型小説は小説じゃない!と叩かれたこともあったそう。しかし、Prerna GuptaはArt evolves with technology(アートは技術で進化する)とそれを一蹴しています。

歴史を振り返ると、CDの登場によって冒頭にサビを持ってくる曲が増えたし、VODの登場によって映画的な連続ドラマも生まれました。コンテンツはメディアによって進化していくのです。

※この論に関しては、LINE株式会社 田端 信太郎さんの「MEDIA MAKERS」が参考になるので、興味のある方はぜひ。面白い本です。

MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体 宣伝会議

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※田端さんは発言が非常に勉強になるので、SNSでフォローしておくとよいでしょう

おそらく、これからも新しい形式のコンテンツがどんどん生まれてくると思います。その際には、決して食わず嫌いをせず、どんどんチャレンジしていきたいですね。

 

余談

「HOOKED」のフォーマットで2chのSSを配信するアプリとかあったら面白そうだなって思いました(著作権はおいておいて)。

もしくは、IPの公式SSを配信するのも面白そうです。

Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール

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