映画ビジネス研究所

映画についてビジネスの観点から考察するブログ

コーエン兄弟やソフィア・コッポラも愛用する動画配信サービス「MUBI」

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はじめに

こんにちは、胆石クラッシャー(@ev20405)です。

鑑賞できる映画を常時30本と限定していながらも、コーエン兄弟やソフィア・コッポラ、マーティン・スコセッシやポール・トーマス・アンダーソンといった世界の一流監督から愛される動画配信サービスがあります。

それが2007年にサービスを開始し、現在200カ国以上で利用されている「MUBI」です。今回は、そのMUBIがなぜここまで愛されているのか探っていこうと思います。

 

1880年代から現在まで、世界200カ国以上の名作映画を配信

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MUBIのいちばんの特徴は「鑑賞できる映画を常に30本に限定している」こと。毎日1本が日替わりで更新されています。利用料は月々720円で、1ヶ月の無料トライアルも用意されています。

 

鑑賞できる映画を常に30本に限定している理由について、雑誌WIRED VOL.26で、創業者のエフェはこのように語っています。

鑑賞できる本数をあえて少なく保つことで、配信権にかかわるコストを減らし、またオーディエンスに彼らが考える「いま観るべき作品」を提示することができるとエフェは考える。「経済原理が優位になることによって、世界中でますます大衆向けのブロックバスターばかりがつくられるようになっている。AmazonやNetflixを普段から愛用している人たちでさえ、90%はMUBIで取り上げられているような映画には興味ももたないだろうと思う。でもぼくらは、映画という文化を愛している10%の人たちに向けて、完璧な映画体験を届けたいんだ」

 このように、MUBIで本数を常に30本に限定しているのは、「配信コストを減らすこため」「いま観るべき映画を提示するため」の2つであることが分かりました。

また、MUBIで扱う作品には2つの基準があるようで、

「ひとつは、その作品ならではの特徴があること。ストーリーでも映像でも演技でも、何か一つ優れた点がなければならない。そしてもうひとつは、作家性があること。監督のマインドが反映されていなければ、いい映画とはいえないからね」

と語っています。しかし、マニアックな作品ばかりが集まっているわけではありません。ジョージ・ルーカスやリドリー・スコット、宮崎駿といったいわゆる「ブロックバスター(大衆映画)」の監督の作品もラインナップに含まれます。

ただ、ジョージ・ルーカスであれば、「スター・ウォーズ」「アメリカングラフティ」だけではなく、「Look at Life」や学生時代の作品「電子的迷宮/THX 1138 4EB」も含まれています。

 

現在、Amazonプライムビデオ等に代表される動画配信サービスは、新しいサービスがどんどんリリースされており、サービスの差別化が難しく、各社オリジナルコンテンツの製作に注力する等、対策をうっています。

MUBIでは、あえて作品をMUBI同時の視点でキュレーションすることで、他のサービスと差別化をはかっているようです。

また、MUBIでは「The Notebook」と呼ばれるレビューやインタビューを掲載するオンラインマガジンも運営しており、映画好きにはたまらないでしょう。

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作品ラインナップ

現在(2016年1月22日時点)配信されている30本の中から、何本か紹介しようと思います。

緋色の街/スカーレット・ストリート

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SF映画の古典的大作「メトロポリス」の監督フリッツ・ラングの作品。日本では長く劇場未公開だったが、2012年9月22日から東京のシネマヴェーラ渋谷で開催された「フィルム・ノワールの世界」において『スカーレット・ストリート』の邦題で上映された。

 

大アマゾンの半魚人

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モンスター映画の古典的傑作。後に制作されるモンスター映画の原型の一つとなった作品。続編「半魚人の逆襲」では若き日のクリント・イーストウッドが出演している。

 

トレジャーハンター・クミコ

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菊地凛子主演、映画「ファーゴ」(コーエン兄弟監督)の一場面を現実に起きたことと信じ込んでしまい、米国ノース・ダコタ州をさまよった挙句に死んだ日本人女性の都市伝説を映画化した作品

 

マーティン・スコセッシやポール・トーマス・アンダーソンが作品をMUBI限定配信

雑誌WIRED VOL.26によると、マーティン・スコセッシが主催する団体「World Cinema Foundation」が古きよき名作を復活させるプロジェクトを進める際、作品をオンライン上で配信するプラットフォームとして選んだのがMUBIだったそう。

また、ポール・トーマス・アンダーソンがレディオヘッドのジョニー・グリーンウッドがインドでレコーディングをしたアルバム制作過程をとらえたドキュメンタリー「Junun」は、ニューヨーク国際映画祭で上映されたその日にMUBIだけで配信されました。

なんとポール・トーマス・アンダーソンに関しては、ある日、本人から「大ファンなんだ。新作をMUBIで配信できないかな?」とメールがきたそう。

 

まとめ

・MUBIは月720円で独自にキュレーションされた世界の名作30本が楽しめる
・世界の一流監督も愛用するサービス

 

WIRED VOL.26/特集「ワイアードTV:映像ビジネスの新時代」

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