映画ビジネス研究所

映画についてビジネスの観点から考察するブログ

【翻訳】ハリウッド映画と銃の関係…映画に登場する銃ランキングも

スポンサードリンク

f:id:creppy:20161029133010j:plain

はじめに

海外メディア「The Economist」に、映画と銃の関係を書いた「How guns get into films」という記事が公開されていました。映画と銃の関係がしっかりと言及されており、年代別の映画に登場する銃のデータも掲載されていたので、アクション映画好きには非常に興味深い内容になっていたので、翻訳してみようと思います。

※適宜省略しています

【元記事はこちら】

www.economist.com

 

映画に登場する銃の多様化とその経済的影響

インターネット上の武器データベースの発展により、映画産業にとって銃はどんどん身近なものになりつつあります。あるデータによると、映画に登場する銃の種類は(中央値で測定)は、1995年から2015年にかけて11%増加しているそう。また、PG-13指定のガンアクション映画の数は、1985年から3倍程度増加しており、その数はR指定の作品数を超えています。

 

銃の存在はアクション映画には不可欠で、1930年代のアクション映画の数は、上位の映画の3%程度だったのが、現在では34%程度まで上昇しています。しかし、007に登場するハイネケンビールやアストンマーティンのように、銃が登場する映画の登場は、銃器の売上高を押し上げるのでしょうか?

 

クリント・イーストウッドの代表作「ダーティ・ハリー」に登場するS&W M29(44マグナム)は、その過度ともいえる威力から、元々ハンターのサブウェポン等使用が非常に限られた銃だったが、「ダーティ・ハリー」の大ヒットにより、アメリカで44マグナムの販売を押し上げ、ブランド認知に貢献したと言われています。

f:id:creppy:20161029140221j:plain

※「ダーティ・ハリー」で44マグナムを犯人に突きつけるイーストウッド

「ダイ・ハード2」でグロック7(架空のモデル、グロック17をベースに劇中でテロリストがX線に映らない様に改造した設定)が登場し、その近未来的な外観からグロックシリーズが大人気になり、その年の終わりまでに、アメリカで30万丁以上のグロックシリーズの拳銃が使用されました。それにより、グロック社は南米で3つの子会社を起こし、新しいG22・G23モデルの生産を開始することができました。

 

※ちなみに、グロック社とは1960年代中頃に登場したオーストリアの銃製造会社で、『ダイ・ハード2』以前はほとんど無名の会社でした

f:id:creppy:20161029141605j:plain

※「ダイ・ハード2」にてブルース・ウィリスが「その手荷物ドロがグロック7を持ってたんだぜ。旧ドイツ製でX線にも写らないシロモノだ。アンタの給料1月分全部つぎ込んでも買えないね」というシーン

グロック17とベレッタ92FSモデルは、最も頻繁に映画に登場しますが、比較的低い生産量を維持しています。理由としては、それらのファンがそもそも購入を急いでいない、もしくは希少価値を高めるために、意図的にメーカー側が少量生産をしていると考えられています。

銃器メーカーの技術顧問やガンアクションの振付師は、銃の名前をださないように求めています。それは、特定の作品において、銃器メーカーが類似したモデルをつくりだすことができるからです。

f:id:creppy:20161029153637j:plain

アフガニスタンでのネイビー・シールズによる反乱鎮圧の任務を映画化した「ローン・サバイバー」では、広告費としてベレッタ社が25万ドルを支払ったことで、劇中でベレッタ社製の銃が使われるようになりました。実際には、ネイビー・シールズではシグ・ザウエル社のP226とキンバー社の1911sを使用していますが、スポンサーは実際の使用モデルに関係なく、銃器を登場させることが可能であると知っているため、非常に稀なケースではありますが、今回のケースが実現しました。

 

映画と銃の関係…そして銃規制の問題

f:id:creppy:20161029150312p:plain

※1970-2015年での各銃器の映画登場率まとめ。時代とともにトレンドがあることがわかる

f:id:creppy:20161029152124p:plain

※各俳優のマシンガン使用率(赤棒)と映画1本あたりの銃の使用モデル数(青数字)のまとめ。ブルース・ウィリスだけマシンガン率がずば抜けて高い(笑)

 

脚本家は、監督や俳優が好む銃のモデルを知っておく必要があります。例えば、クリント・イーストウッドは1971年から2002年にかけて15種類ものS&Wの銃を使用しましたし、スティーブン・セガールはコルト社の1911sモデルが大好きと言われています。アンジェリーナ・ジョリーは、Cisco社の1911モデルを好むと言われています。

 

こんな動きもあります。リーアム・ニーソンはシャルリー・エブド襲撃事件をきっかけに銃規制を支持するようになりました。その結果、アメリカの武器メーカーPARA USAは、リーアム・ニーソンが出演する映画には自社の銃を供給しないだろうと答えるまでになりました。 PARA USAは小さな会社ですが、銃規制は会社にとって重大な問題であり、俳優が映画に登場する銃器だけでなく、映画産業全体における銃関連の決定に影響を与える力を持っていることを示しています。

 

一部の著名な俳優 - マット・デイモン、シガニー・ウィーバー、ジョージ・クルーニー、ジョディ・フォスターとシルベスター・スタローンらは銃規制を支持しており、彼らは業界に大きな影響を与えると考えられます。「ローン・サバイバー」のようなメーカーからの高価なプロダクト・プレイスメント契約が、映画会社によって根絶された場合、それは銃規制の動きに凄まじい追い風になり、アクション映画や銃が登場するシーンが、その影響を受ける可能性があります。