映画ビジネス研究所

映画についてビジネスの観点から考察するブログ

自分だけの映画館が作れるサービス「popcorn」は、映画上映会の追い風になる

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はじめに

みなさん、公民館やフリースペースを借りて、個人で映画上映会したい!と思ったことはありませんか?しかし法律上、公に映画上映会を行うには、上映用に権利処理された業務用DVD等をレンタルする必要があります。

例えばこんな会社から・・・

www.mmc-inc.jp

なぜかと言いますと、一般に市販されている映画ビデオ・DVDソフトは、家庭内視聴を目的に「頒布」されています。これらの映画ビデオ・DVDソフトを家庭内視聴以外の目的で使用することは権利者である映画会社が認めていないのです。そのため、劇場以外の施設などで、映画の上映会を行なうためには権利者が許諾したフィルムや業務用ビデオソフト・業務用DVDソフト等を利用することが必要なのです。

これは正直めんどくさい!しかも1日1回上映でレンタル代だけで数万円程度の費用が必要です。仮に5万円だとして、1人1000円の入場料で50人を集める必要があります。これはなかなか厳しい。

しかし、これを解消できる新しいwebサービスが登場したので、紹介します。

 

みんなでつくる、それぞれのマイクロシアター「popcorn」

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公式サイトから引用

公式サイトによると、「上映会を開催したい人」「場所を持っている人」「映画の権利を持っている人」の3者をインターネット上で繋げるサービスのようです。チケットの購入から映像データの配信、マイクロシアターの場所確保までインターネット上で完結するのはかなりお手軽!これなら誰でもすぐに始められそうです!

今までも一時的に映画を上映する仕組みはありました。ただ、上映する度にイニシャルコストがかかる上、そもそもどの映画が上映して良い作品なのか把握する事が難しく、上映を1回行うだけでも大変な労力が必要でした。

一方で製作者・配給会社には、上映主催者とのネットワークや上映作品の提供に手間やコストが掛かっていたのに加えて、どれくらいの来場があったのか、どのような方が観客だったのかを知る術はありませんでした。

popcornでは映画作品〜観客〜マイクロシアターの3者を、一元的・有機的に繋げる事で、それぞれのリスクやコストを低減すると共に、あらたなお金の流れを生み出すことで、上映機会を増やそうと考えています。

 例えば、自分がカフェのオーナーで、popcornで自分のカフェをマイクロシアターにすれば、いつでも好きな映画が見られる映画館兼カフェが完成します!

また、映画会社やインディーズのフィルムメイカーにとっても、自分たちの作品を観てもらえるチャンスが増えることになりますので、制作側のメリットもあります。

また、運営には「日本仕事百貨」のナカムラケンタさんと「MotionGallery」の大高健志が名を連ねており、非常に期待できそうです!

 

盛り上がりつつある映画上映会イベントとの親和性も高い

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※夜の森の中で映画を見る「夜空と交差する森の映画祭」の様子、オシャレ

最近、映画上映会を野外で行い、フードや他のイベントスペースも併設するような「映画上映会イベント」が盛り上がりつつあります。映像周辺機器の進化が著しく、より手軽に上映会をすることは可能になったこと、そしてそのイベント性の高さによる集客力から、近年開催数が増えているように感じます。

今回紹介した「popcorn」は、映画上映を容易にするという意味で、映画上映会イベントの開催をさらに加速させるのではないでしょうか。

ちなみに、今回で3回目を迎える「夜空と交差する森の映画祭」では、第2回で2300名を動員したそうで、入場券が8800円なので(オプションプランもあるが今回は除外)単純計算で売り上げが約2000万円!すごい!

 

◼︎なぜ映画上映会イベントが盛り上がるか?

余談ですが、最後になぜ映画上映会イベントが盛り上がっているか考えてみます。

やはり1番の理由は、映画はコピーできるコンテンツで、イベントはコピーできない「体験」である、ということです。

映画はコピーすることができます。映画館であろうがDVDであろうが同じ内容です。しかし、映画鑑賞をイベント化することで、それは個人個人の「体験」に変わり、それは決してコピーできないものになります。だからこそ、人々はその唯一無二の体験をするために、イベントに参加するのでしょう。

これは、音楽が容易にコピー可能である中で、ライブが決して無くならないことと同じことです。むしろ、コピーが容易になったことでライブの価値が相対的に増しつつあります。

また、野外上映会というコンテンツは非常にキャッチーで、コミュニケーションの「きっかけ」として消費される可能性が高いため、SNS等で拡散され、盛り上がっているとも考えられます。それは以前、自分が「時をかける少女」の野外上映会に参加した際に感じました。

 【野外上映会に参加した記事】

creppy.hatenablog.com

 

まとめ

・「popcorn」の登場により、映画上映会が簡単にできるようになる
・映画上映会イベントとの親和性も高いため、今後増えていく可能性がある
・映画はどこで観ても同じだが、映画上映会イベントは唯一無二の体験である
・コピーできないコンテンツこそ今求められている