映画ビジネス研究所

映画についてビジネスの観点から考察するブログ

【レポート】「ジブリ大博覧会」は映画ビジネスを学ぶ絶好の機会だった

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※大博覧会の看板。ナウシカの公開時期告知用の第1弾ポスターを使用

はじめに

現在、六本木ヒルズで開催されている「ジブリ大博覧会」に行ってきました。

「ジブリ大博覧会」はこれまでのジブリ作品がどのように生み出され、世に出て行ったかを、当時のポスターやチラシ、今まで未公開だった企画書や制作資料で振り返る展覧会です。これが非常に映画ビジネスの勉強になるものでした。

【紹介映像】

youtu.be

【公式サイト】

www.roppongihills.com

過去作品のポスターや企画書、ロゴ、広告等の資料の山

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※歴代作品のポスターが並べられている(引用:公式サイト

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※一部の関係者しか見ることのできないレアな宣伝グッズも!(引用:公式サイト

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※「魔女の宅急便」等の様々な作品のロゴ案も展示されています

(引用:「ジブリの大博覧会」はファンほど楽しい! - 名作の裏で吐いた血反吐を知る)

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※壁一面に埋め尽くされている新聞広告はすごい迫力

(引用:「ジブリの大博覧会」はファンほど楽しい! - 名作の裏で吐いた血反吐を知る

とにかく資料の山・山・山!当時のポスターやチラシ、今まで未公開だった企画書や制作資料が壁や机に所狭しを置かれていました。勉強になる要素しかない!!!

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※宮崎駿の企画書の一部

(引用:「ジブリの大博覧会」はファンほど楽しい! - 名作の裏で吐いた血反吐を知る

 

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※鈴木さんが糸井さんへ宛てた手紙

(引用:「ジブリの大博覧会」はファンほど楽しい! - 名作の裏で吐いた血反吐を知る

特に印象的だったのが、鈴木さんとコピーライター糸井さんとの書簡。映画のコピーを決めるために、2人は何回も手紙でやりとりをしており、その手紙が展示してありました。

「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」「カッコイイとはこういうことさ。」「好きな人ができました。」「生きろ。」・・・糸井さんが作ってきたコピーはたくさんの人の心を動かしてきました。

 

しかし、それは決して平坦な道ではなく、考えて考えてやっと到達した頂点だった。それが鈴木さんと糸井さんとの書簡で明らかになりました。

鈴木さんは「宣伝はタイトルとコピーとポスターで決まる」「時にはタイトルがそのままコピーになる」が持論で、コピーは入念に検討したかったからこそ、こだわったのでしょう。

ナウシカのポスターが衝撃的

次に気になったのが、展示してあったナウシカのポスターです。

ナウシカのポスターといえば、皆さんどれが思い浮かびますか・・・?

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おそらくほとんどの方がこのポスターを思い浮かべるのではないでしょうか?ただ、実はこれ以外にもナウシカには3種類のポスターが存在していました。

それがこちらです。

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※一番右は今回の「ジブリ博覧会」にも使われた、公開時期告知用の第一弾ポスター

この3枚と最初の1枚を見比べて、率直な感想は「キャラの顔が似てないし、絵のテイストもバラバラだな~」でした。

ナウシカ自体かなり古い映画で、低予算で作られた映画ですので、宣伝にそこまで力を入れられなかった、というのは分かります。

でも顔は似てないし、そもそも絵のテイストが左の2枚が全然違う。これには驚きました。戦車のプラモの箱のデザインのような感じでしょうか。

敢えてデザインのテイストを変えたポスター

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※ナウシカのポスターを手掛けた高荷義之さんの作品

 

この謎はショップで販売されていたパンフレットで解明されました。以下引用です。

ポスターや新聞広告、前売り券を軸にした映画宣伝のセオリーに沿いながら、従来の「アニメは子供向け」という映画界の常識に挑戦。原作コミックのファンや宮崎作品を愛するアニメファン以外の観客層にもアピールするため、少年雑誌やプラモデルの箱絵で知られるイラストレーター「高荷義之」さんによる重厚なタッチのイラストをポスター、新聞広告に使用。タイトルロゴも「ゴジラ」「ベン・ハー」をイメージしてデザインしたりするなどの工夫が凝らされた。

つまり、より幅広い層にアピールするために、あえて重厚なタッチを得意とする高荷義之さんにポスターを描いてもらったようです。たしかに、絵自体に非情に迫力と重厚感があり、大人が見ても楽しめる雰囲気を感じます。

アニメをそのまま切り取ったようなポスターの場合、表面がつるっとしていて情報量が少なくなってしまいます。子供にはわかりやすいですが、大人は満足できません。

 

そこで、普段アニメを見ない大人がポスターを見ても興味を持ってもらえるように、ポスターのテイストをアニメに寄せるのではなく、大人の鑑賞に耐えうるだけの情報量がある、重厚な絵のポスターを作成したのでしょう。

タイトルロゴも、当時の大ヒット映画「ベン・ハー」「ゴジラ」を意識しているようで、同様のブロックっぽくレンガのような質感に仕上がっています。

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※ゴジラ、ベン・ハー、ナウシカのロゴ、やはり共通点は多い

その他のコンテンツ

最新作レッドタートル

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他にはスタジオジブリ最新作「レッドタートル」のコーナーや

red-turtle.jp

乗れる猫バスゾーンで写真撮影ができたり

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空飛ぶ船を巨大ジオラマがあったり

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 最後には充実の物販とジブリ特別メニューのカフェまで

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※カフェの天井には歴代作品のポスターがずらり

ジブリにちなんだスペシャルメニューまで

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 展覧会情報

開催期間:2016年7月7日(木)〜9月11日(日)
時間  :10:00〜22:00(最終入場 21:30
会場  :六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー内スカイギャラリー
入場料 :一般 1,800円
    :高校・大学生 1,200円
    :4歳〜中学生 600円
    :シニア(65歳以上) 1,500円

※6月23日より上記価格に変更。変更前の前売り券購入者には、500円返金。返金は、会場のチケットカウンターで実施。当日、前売り券を持っていない場合は返金不可。
※入場日時限定前売券(平日限定券、アフター6券)をお持ちのお客様の入場可能日時は変更はなし。
※前売券はローソンチケットで購入可能。

ジブリコラボフードが食べられるカフェ
Museum Cafe & Restaurant THE SUN & THE MOON 

場所   :Cafe Area THE SUN (六本木ヒルズ森タワー52F)
期間   :2016年7月7日(木)~9月11日(日)
営業時間 :11:00~22:00 (FOOD L.O. 21:00/DRINK L.O. 21:30)
入場料  :無料 ※ただし展望台入館料(一般1,800円)、もしくは「ジブリの大博覧会」の入場券が必要。
メニュー例:
・まっくろバーガー 1,380円(税込)
・目玉焼きトースト&肉団子のスープ 1,080円(税込)
・抹茶の雨傘かき氷 750円(税込)
・大博覧会記念パフェ 1,280円(税込)

まとめ

映画業界は閉鎖的な業界です。そのため映画の企画書なんかは外に出回ることはほとんどありません(あったら読みたいんですが・・・)。

ですが今回の大博覧会はまさにジブリの映画製作を丸裸にしてしまう内容でした。しかし、今回の展覧会で製作プロセスが表に出たことで、よりジブリとファンと距離は縮まったのではないかと思います。

ジブリの仲間たち(新潮新書)

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