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映画ビジネス研究所

映画についてビジネスの観点から考察するブログ

【考察】Netflixの今後のオリジナルコンテンツ製作はどうなるか予想してみた

映画ビジネス SVOD Netflix 映画×IT
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※日本でのサービス開始前から配信されていた唯一の日本コンテンツ「シドニアの騎士」

◼︎はじめに

最近、Netflixをよく利用しています。私は、Netflix、Hulu、Amazonプライムビデオ、TSUTAYA DISCASの計4つのサービスを利用していますが、Netflixがこの中では一番映画ファン向けで、往年の名作から高品質なオリジナルコンテンツまで扱っているのが大きいです。特にオリジナルコンテンツは種類が豊富でクオリティが高く、2016年のコンテンツ投資額は60億ドルを予定しているとか。

そんなNetflixが先日、東京でジャパンスペシャルイベントを開催しました。

av.watch.impress.co.jp

この記事によると、日本発のオリジナルコンテンツもなかなか好評な様子。

アニメに関して言えば、すでに世界中にファンがおり、独自制作の「シドニアの騎士」は80%が海外からの視聴になったという。特にNetflixのレコメンド機能による視聴が多く、「アニメを見たことがない人にも届いている」という

 アニメだけでなく、実写も力を入れており、その代表例が「火花」。又吉直樹原作の芥川賞作品を実写化。6月3日から190カ国で10話一斉配信しており、今夏には4K/HDRでも配信予定。火花も海外にも広がっており、50%は海外からの視聴となっている。台湾や香港などアジアだけでなく、ブラジルやメキシコ、カナダ、ドイツ、アメリカなどに広がっているが、多くの人はレコメンデーション機能経由で視聴しているため、作品やジャンルも知らずに見ている場合もあるという。

ここで注目したいのが、「シドニアの騎士」にしろ「火花」にしろ、海外からの視聴が大きいということです。

この記事を読み、Netflixは今後、日本初のオリジナルアニメを拡大させていくんだろうな…と思っていたら、どうもすでにスタートしていました。

www.animeanime.biz

では、なぜNetflixが実写コンテンツに引き続き、オリジナルアニメ製作に乗り出すのか? もちろん様々なコンテンツがあればそれだけ有利なのですが、アニメは実写コンテンツにはない要素を持っているからなのです。

 

◼︎Netflixのターゲットはコアな高感度層

そもそも、Netflixがこうしてオリジナルコンテンツ製作に力を入れる理由は、ただ一つ。他の定額制動画配信サービス(以下SVOD)と差別化するためです。

SVODは映画会社やテレビ局から購入した既存のコンテンツと自社で製作、もしくは独占や先行配信するオリジナルコンテンツをユーザーに提供しています。

既存のコンテンツの場合、極論お金さえ払えばいくらでも用意できるものなので、他者と差別化するために、自社でしか視聴できないオリジナルコンテンツ製作に注力しているのです。

特に、Netflixは「当面のターゲットを高感度層」としています(引用:ネットフリックスの時代)。要は、既存のコンテンツはそれなりに楽しんできており、見たことない新しいコンテンツを求めている層です。逆にdTVはより一般的な層をターゲットとしており、それは映画のスピンオフドラマ製作に注力していることからも伺えます。

 

◼︎アニメは文化の違いが表面化しにくい

Netflixでは、基本的にオリジナルコンテンツは全世界に配信されます。そのため、オリジナルコンテンツ製作の場合には、日本でヒットするかは最重要ですが、海外で視聴されるか、という点も当然視野にいれられるでしょう。

ここで重要なのでは、実写ドラマとアニメの性質の違いです。

海外に日本のコンテンツを輸出する上で重要な点として、「文化的な違いを受け入れられるかどうか」ということが挙げられます。

 

特に日常系や恋愛系のアニメの場合、そのままのストーリー展開だと文化が違いすぎて海外のユーザーがうまく理解できないケースも発生します。日本映画がハリウッドリメイクされる場合、ストーリーが大きく変わる場合がありますが、これはリメイクすることで海外でも受け入れられるストーリー展開に修正する、という意図があるからです。

そのため、海外も意識したコンテンツを製作する場合には、文化的な違いがでにくいSFやアクション、ファンタジー系にジャンルが絞られます。

 

ただ、これらのジャンルに共通するのは、実写化には莫大な予算が必要になる、ということです。また、ハリウッドのクオリティに慣れている海外のユーザーからすれば、厳しい目で見られることは間違いありません。

 

しかし、アニメの場合、SFやアクション、ファンタジー系でも実写ほど予算も期間も必要ありません。また、「シドニアの騎士」の視聴数の80%が海外であることからもわかるように、すでに海外には日本のアニメファンが一定数いるため、実写ドラマよりもチャンスは大きいのです。

 

◼︎アニメのネット配信はアニメ制作会社側から見てもプラスに働く

 ここで、アニメ制作会社の立場からも考えてみましょう。たとえ、Netfilxにとって都合がよくても、実際にアニメを制作するアニメ制作会社にメリットがなければ、オリジナルコンテンツ製作は難しいからです。

実は、ネット配信をするメリットはアニメ制作会社にもあります。ポイントは「キャラクターの版権」です。

少し古いデータですが、2005年のアニメ市場規模は2339億円でしたが、同年のキャラクター商品の小売市場はなんと1兆6100億円。2次利用の版権市場は、1次利用の7倍以上の規模を持つことがわかっています(出典:図解入門業界研究最新映画産業の動向とカラクリがよ~くわかる本[第2版] )。

つまり、アニメに関して言えば、ビジネスとして重要なのは「いかに二次利用で儲けるか」ということなのです。

 

少し考えていただきたいのが、みなさんがキャラクター商品を購入するときのメンタリティです。そこまで好きでもない作品の商品は購入しないですよね?よりたくさんの人にキャラクター商品を購入してもらうためには、より多くの人にファンになってもらうしかありません。つまり、何回も作品を見てもらえればいいのです。Netflixであれば、定額で何度でも観ることができます。しかも視聴者は世界中にいます。これこそが、アニメ制作会社の最大のメリットなのです。

 

◼︎まとめ

・Netflixのターゲットは高感度層

・アニメは実写と比べると日本に加えて海外でのヒットも見込める

・アニメの版権市場は、1次利用の7倍以上の規模を持つ

・アニメ制作会社にとってもメリットは大きい

 

◼︎お知らせ

Netflixについて考察しました

 

creppy.hatenablog.com

 

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