映画ビジネス研究所

映画についてビジネスの観点から考察するブログ

【考察】dTVやHulu…定額制動画配信サービスで昔の日本のテレビドラマが見放題にならないのは、権利処理が大変だから

スポンサードリンク

f:id:creppy:20160702125947j:plain

◼︎はじめに

妖怪ウォッチ」「不思議の海のナディア」「エヴァンゲリオン」…dTV等に代表される定額制動画配信サービスでは、日本のアニメコンテンツが非常に充実してきている。子供のころに見ていたアニメをイッキ見…最高です。

でも、昔の日本のアニメ・映画・バラエティは配信されているのに、日本のテレビドラマって配信されてませんよね…?昔の名作ドラマって絶対ニーズあるはずなのに、なぜでしょう…?

実は、「権利処理」が非常にコストであるため、過去のドラマは配信されていないのです。私のテレビ番組制作会社時代の実話を含めて解説していきます。

 

◼︎ネット配信するためには、権利者と再度契約をする必要がある

日本では、昔は出演者や有償資料を使用する際、厳密な契約を結ぶ、という行為があまりされていませんでした。また、結ぶ場合でも基本的には「テレビ放送で使用する場合のみ」での契約が結ばれていました。要はそれ以外は「別途相談」という形です。

したがって、過去のコンテンツを新たにネット配信をしたい、となると、権利を持つすべての人に「ネット配信したいんですが、いいですか?」と確認、場合によっては使用料が再度発生したりします。これが金額的にも工数的にも尋常じゃないコストなのです。

テレビ番組制作会社時代、私も権利処理の作業をよく担当していました。テレビ番組で過去の映像を流用しているのってたまに見かけませんか?実はあれ、毎回その映像の権利を持つ権利者に「こういう番組でこういう風に公開したいんですが、いいですか?」と確認しています。

権利処理のめんどくさいところは、制作したテレビ局がすべての権利を持っていないところです。まずテレビ局の当時のプロデューサーに使用したい旨を伝え、okをもらいます。そして、映像を使用する場合、他に誰に許可をとればいいか確認します。そこで教えてもらった権利者全員に連絡し、番組の内容や利用方法等を説明し、使用させてくれないかとお願いします。

誰か1人にでも断られたらその時点でアウトです。使用することができません。某局の番組以外では使ってほしくないからダメとか、様々な理由で断られることもあります。その場合、似たような別の映像を1から探します。以下無限ループです。

 

◼︎アメリカでは一括契約する文化が一般的

その点、アメリカはしっかりしています。アメリカでは映像にしろ出版にしろ、制作者や権利者と企業の間で包括的な契約をするのが基本となっています。そのため、ネット配信するかどうかは、基本的に企業の判断のみで決断できるので、非常にスピーディです。

 

◼︎まとめ

・昔の日本のテレビドラマが見放題にならないのは、権利処理にコストがかかりすぎるから

・テレビ局がすべての権利を持つわけではないので、出演者や他の権利者に毎回確認する必要がある

・アメリカでは昔から包括契約を結ぶ文化があったため、その辺はスムーズ