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映画ビジネス研究所

映画についてビジネスの観点から考察するブログ

【考察】マンガ・アニメ原作の実写映画がボロクソに叩かれる理由

映画ビジネス 実写映画化
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はじめに

なにかと話題になるマンガ・アニメ原作の実写映画ですが、ネガティブな意見が多く見られます。これはなぜでしょうか?単純にクオリティが低いから?原作が上手く表現できていないから?最近だと、実写化映画=駄作決定、という空気すら感じます。

そこで、今回は実写化映画がボロクソに叩かれてる理由を分析し、どうすればもっと良くなるか考えたいと思います。

マンガ・アニメの実写映画が叩かれている理由をまとめてみた

実写映画が叩かれる主要な理由を列挙してみます。

①イメージと異なるキャスティング
②原作と大きく異なるストーリーやキャラクター設定
③そもそも映画としておもしろくない

理由としたらこんなところでしょうか。ではそれぞれ掘り下げて、分析していきます。

①キャストがイメージと異なる

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そもそもキャストの決定は監督が決めることもあればプロデューサーやキャスティング・プロデューサーが決めることもあるし、製作委員会で決定することもあります。

ただ、基本的にキャスト決定の際に優先的に考慮される要素は、その役者をキャスティングすることで観客を呼べるかどうか、そしてその役者のスケジュールがおさえられるかどうか、ということです。

実はあるデータでは、洋画よりも邦画を好む理由の1位が「好きな俳優が出演しているから」(31.5%)であることが分かっています(引用:映画館での映画鑑賞に関する調査)。

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つまり、映画のヒットという観点からは、キャストが原作のイメージにフィットするかというよりも、映画のターゲット層にとってキャッチーな役者をキャスティングできるかどうかが非常に重要なのです。

しかし、映画のターゲット層に響く役者=原作にフィットする役者、が成り立つことはほぼありません。そのため仮に原作にフィットする役者が存在しており、かつそれを製作者が把握しているとしても、その役者は選ばれず、ターゲット層に響く役者が選ばれる確率が高くなる。なので、キャストがイメージと異なるのは、ビジネスの観点からは必然でなのでしょう。。。

また、人気俳優ともなるとずっと先までスケジュール埋まってます、ということもザラ。主役級になるとかなりの長時間を束縛することになるので、そこが合わない時点で、その役者は候補から外されます。それは、その映画が公開されるタイミングで、関連する様々なビジネスが動く準備が進行しているためです。そのため、スケジュールを抑えられることができて、かつ監督とプロデューサーからokがでた役者がキャスティングされていくのです。

 

②原作と大きく異なるストーリーやキャラ設定

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原作ファンが映画を見た感想によくあるのが「原作とストーリーが全然ちがう」「◯◯が変わりすぎて完全に別キャラだった」「そもそもあのお気に入りのキャラがでてこなかった」等、いわゆる「原作と大きく異なるストーリーやキャラ設定が気に入らない」パターンがあります。

原作ファンとしては、やはり「あのキャラが実写でどうなるのか?」「あのシーンって映画でどう見せるのか?」といった「マンガに忠実に映画を製作するとどうなるのか?」というポイントに期待します。つまり、マンガと実写映画でストーリーやキャラ設定等に乖離があれば、それだけで原作ファンとしては不満に感じます。

株式会社マーシュの「実写映画に関する調査」によると、映画館でマンガの実写映画を見たことがある人を対象に、原作「既読」と「未読」のどちらの実写映画を見に行くことが多いかを尋ねると、漫画を 月に 1 冊以上購入する人では、未読作品を見に行くことが多い人は 25.3 %、既読作品が多い人は、それを15 ポイントほど上回る 39.9 %という結果が得られています(引用:実写映画に関する調査)。

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この結果から、普段から漫画を月に1冊以上購入している人は、未読作品よりも既読作品の実写映画を見に行く割合が高いということが分かります。

そもそも実写映画でマンガを忠実に再現した、という作品はそれほど多くありません。実写映画を観に行く人は原作既読の人の割合の方が多いため、不満に感じた原作ファンのネガティブな発言が噴出し、作品自体に話題性が高い分加速度的にそれらが拡散されることで、実写映画がボロクソに叩かれるという図式が生まれます。

③そもそも映画としておもしろくない

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マンガのストーリーは短くてコミックス1巻分、長くて100巻以上になります。しかし、映画は基本的には2時間程度。もちろん続編を製作すればストーリーを長くすることはできますが、基本的には1作完結のストーリーです。

また、映画はマンガと違い、様々な制限を抱えています。一番大きいのはお金です。マンガではどんなシチュエーションであっても容易に作り出すことができますが、映画で同じシチュエーションを再現するためには、尋常じゃないコストがかかります。

特に歴史モノやSFモノではそれが顕著になり、SFの壮大な設定を映画で忠実にやろうとすると、時間もコストも莫大になるでしょう。

 

それに加え、映画は基本的にシンプルな一つの大きなストーリーのもとに展開するのに対し、マンガではメインのストーリーの間に、小さいエピソードが積み重なります。そのため、そういった小さいエピソードは映画化の際には省かれることが多いです。

つまり、そもそも映画とマンガとでは形式が大きく異なるメディアであるため、どうしても映画から見てもマンガから見ても中途半端なモノになる可能性が高い、ということです。

また、一つ確実に言えるのは、予算をどんだけつっこもうが、有名な監督が撮ろうが、映画がつまらなくなる可能性はある、ということです。つまり、作品自体が話題になった分、つまらなさがネットを中心に拡散し目立っているだけで、実は同じような予算・キャストで製作したものの中には、同じようにつまらない映画はたくさん存在しているのです。

ですので、実写映画だからおもしろくない、ということではなく、おもしろくない映画がたまたまマンガ原作の映画だった、と考えられます。

まとめ

・誰をキャスティングするかは、興行に大きく影響するため、原作のイメージにあう役者より人気のある役者がキャスティングされやすい

・実写映画を観る原作ファンは多く、「マンガに忠実に映画を製作するとどうなるのか?」という点に注目するため、不満がでやすい

・映画とマンガでは形式が違うため、マンガを映画で忠実に再現しようとすると莫大な予算が必要になってしまう