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映画ビジネス研究所

映画についてビジネスの観点から考察するブログ

傑作で振り返るカンフー映画の歴史【前編】

アクション映画 オススメ作品紹介 コラム
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f:id:creppy:20160517222541j:plain※今年No.1(俺調べ)のカンフー映画「カンフージャングル

はじめに

こんにちは、胆石クラッシャー(@ev20405)です。

2歳から24年間アクション映画を見続けている私が、アクション映画を語るうえで必要不可欠な「カンフー映画」の名作を紹介しながら、その歴史を紹介していこうと思います。

【ジェット・リー、ドニー・イェン、リューチャーフィーに言及した後編はこちら】

片腕ドラゴン

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◼︎カンフー映画の基礎をつくった男、ジミー・ウォング

異種格闘技戦を初めて取り入れた傑作アクション映画。中国映画といえば英雄が剣を使って活躍する歴史モノ、という流れを「吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー」で断ち切り、カンフー映画ブームの基礎を築いたといわれるジミー・ウォング大先生の代表作です。

【予告編はこちら】

www.youtube.com

~あらすじ~
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敵対する道場との乱闘騒ぎで師匠から謹慎処分の罰を受けたティン(ジミー・ウォング)。その隙を狙われ襲撃を受けてしまい・・・。仲間を殺され自らも片腕を失った男が、復讐のために残された腕を鉄よりも堅く鍛え上げる。
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基本的にジミー・ウォング大先生の映画はトンデモ設定が多く、片腕ドラゴンでは、残った左手を炭火に入れて焼き、医師が持っていた“秘薬”に漬けることで、石をも砕く強靭な拳を手に入れる、というマンガのような設定を真面目にやる映画です。

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※バキでは愚地克己が「片腕という個性(オリジナル)」という名言を残した

敵もバリエーション豊かです。腕が伸びるインド人のヨガの使い手や気功によって身体を2倍くらいに膨らませるチベット僧、明らかにカンフーの構えをする日本の空手使い…こういうトンデモ設定を笑って許せる人でないと、この映画を見るのは苦痛でしかないと思います。

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※腕が伸びるインド人(明らかに中国人にドーラン塗っただけ)

しかし、この映画の影響力は大きく、ブルース・リーが「なぜ足を使わないんだ!」と、その出来に憤慨、香港に戻って「ドラゴン危機一発」を撮るきっかけになったというエピソードがありますし、「片腕の戦士」という設定はツイハークの傑作「ブレード/刀」でも使われています。

f:id:creppy:20160517222943j:plain※ソードアクションの傑作「ブレード/刀」。コマのように回転しながら敵を斬りつける独特の片腕剣術はアクションファンを驚かせた。しかし、途中に15分くらい入る意味不明な哲学的シーンは拷問に近い。

また、連続して武芸者と異種格闘技戦を行う、というアイディアはブルース・リーの「死亡遊戯」、キン肉マンやドラゴンボール、HUNTER×HUNTERといったマンガにも使われ、後世のエンタテインメントに大きな影響を与えました。

ちなみに、ジミー・ウォング大先生は特にカンフーの訓練をしていたわけではないので、動き自体は非常にモッサリしています。だからこそ、トンデモ設定に自らの活路を見出していたのかもしれません。 

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燃えよドラゴン

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◼︎アクション映画の概念を変えた歴史的傑作

限界まで鍛えられた肉体。圧倒的な技術に裏打ちされたリアルなファイトシーン。特徴的な「アチョー!」という怪鳥音。そしてブルース・リーの突然の死。以降のアクション映画に大きな影響を与えたカンフー映画です。

【予告編はこちら】

www.youtube.com

~あらすじ~
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少林寺拳法の達人であるリーが妹を自害させた手下を持つ犯罪組織のボスであるハンが開催する武術トーナメントに参加し、最後はハンへの復讐を描く。
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※圧倒的な筋肉のブルース・リー

逆に観ない理由が見当たらないカンフー映画のレジェンドオブレジェンド。ではなぜ「燃えよドラゴン」がここまで評価されているのか、少し解説していきます。

①ブルース・リーの鍛え上げられた肉体

どれだけ忙しくてもトレーニングを怠ることの無かったブルース・リー。その肉体は当時の中国の俳優と比較するとムキムキ度が桁違いで、そこから繰り出される攻撃は、当時の観客は見たことのない非常に鋭く、観客を驚かせました。

②圧倒的な技術に裏打ちされたリアルなファイトシーン

幼いころは少林拳、13歳から5年間は達人イップ・マンのもとで詠春拳を学び、しまいには「ジークンドー」と呼ばれる新しい武術を作ってしまうほどだったブルース・リー。先ほど紹介したジミー・ウォングと比較しても、動きのキレだけでなく身体の使い方や攻撃の一つ一つが明らかに今までのアクションとは異なっており、そのリアルで迫力のあるアクションが観客を魅了しました。

③怪鳥音と呼ばれる特徴的な声

怪鳥音と呼ばれる「アチョー!」という独特の掛け声も印象的でした。ちなみにこのころの香港映画は吹き替えが一般的なんですが、この怪鳥音のみブルース・リーの肉声が使われています。

④公開直前にブルース・リーが謎の死を遂げたこと

「燃えよドラゴン」の公開直前に、ブルース・リーが謎の死を遂げたこともこの作品が伝説化した大きな要因です。死因には様々な説があり、陰謀論も飛び出すほどでした。

香港で「ドラゴン危機一発」で初めて大ヒットを生み出し、そこから主演を務めた映画は「ドラゴン怒りの鉄拳」「ドラゴンへの道」「燃えよドラゴン」「死亡遊戯」のたった4本。享年32歳。あまりにも早すぎる死でした。 

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プロジェクトA

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◼︎コメディ要素満載!ジャッキー・チェンの代表作

もはや世界の大スターとなったジャッキー・チェンが中国戯劇学院時代の先輩後輩であるサモ・ハン・キンポーとユン・ピョウ3人で出演した大ヒットアクション映画。「プロジェクトA」や「ポリス・ストーリー/香港国際警察」が大ヒットし、ジャッキーは中国を代表するアクションスターになりました。

【予告編はこちら】

www.youtube.com

~あらすじ~
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舞台は20世紀初頭の香港。海賊の台頭に頭を悩ませていた海上警察は活動を停止させられ、陸上警察と合併となる。そんな折、英国人の乗る船が海賊に襲われ人質に取られてしまう。香港を統治する英国の海軍提督は、やむを得ず海賊との裏取引を画策。それを知った海上警察隊員ドラゴン(ジャッキー・チェン)は、提督を説得して、海賊の撲滅作戦「プロジェクトA」を決行するのだった。
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※首の骨を折った時計台のシーン(この後地面まで落ちます)

ジミー・ウォングのトンデモ設定で魅せるカンフー、ブルース・リーのフルコンタクト系リアルカンフー、リュー・チャーフィーの演劇のような息の合ったカンフー。そのどれでもないコメディ色を前面に打ち出した明るいカンフー映画をうみだしたのが、我らがジャッキー・チェンです。

 

しかも、ただ面白おかしいわけではなく、どれだけ危険だろうとアクションやスタントは全て自分でこなすそのスタイルは、多くの映画人に影響を与えました。プロジェクトAでは25mの高さのある時計台から落ちるシーンで首を骨折し、死にかけてましたし、サンダーアームでは頭蓋骨陥没骨折の大けがを負っています。他にも軽い骨折なんかは日常茶飯事で、ケガをしていない箇所がないのではないか?といわれるほどです。

そのジャッキー・チェンが学生時代の先輩であるサモ・ハンと後輩のユン・ピョウと組んだのがこのプロジェクトAで、3人のアクションがこれでもかと詰め込まれ、かつコメディ要素もたっぷりの作品です。

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プロジェクトA」「ポリス・ストーリー/香港国際警察」が大ヒットし、「バトルクリーク・ブロー」でハリウッドに進出。なかなかヒットをだせず苦しみましたが、レッド・ブロンクス」で全米興行収入初登場1位というアジア映画初の快挙を成し遂げ、世界を代表するアクションスターになったのです。

f:id:creppy:20160517230253j:plain※ちなみに「レッドブロンクス」では足首を骨折。しかし骨折した足をギプスで固定し、さらにそのギプスに靴の絵の描かれたゴムをはめて撮影を続行しています。

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まとめ

・現在のカンフー映画の基礎を作ったのは「吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー」
・ジミー・ウォングの作品はトンデモ設定を楽しめない人には地獄
・ブルース・リーが初めての本格派アクションスターだった
・ジャッキーは子供でも楽しく観られるので入門編としてお勧め

【ジェット・リーやドニー・イェンを紹介する後編はこちら】

 

 

カンフー映画大全集 改訂版 (スクリーン・デラックス)

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